2010年8月12日公開
2013年1月23日更新
Masaaki Shibata
これは、渋谷栄一氏がウェブサイト「源氏物語の世界」で公開されている、『源氏物語』の校訂テキストを、私(柴田)が独自に校正して、誤記等が疑われる個所を示したものです。多くは誤入力によるものと思われますが、なかには一部微妙な例も混じっています。間違いでない個所に印を付けていることもありえます。
私が見つけた範囲内で疑わしいものを挙げたに過ぎませんので見落としもあると思いますが、渋谷氏や『源氏物語』に興味を持って氏のページをご覧になる方々のお役に少しでも立てればと考え、公開します。
ご意見・ご指摘等歓迎します。電子メールにて、mshibata at emptypage.jp まで遠慮なくお寄せください。(渋谷氏にはすでにご連絡差し上げています。)
2013年1月23日追記 また、本ページ公開後、渋谷氏も「源氏物語の世界」のデータを改訂されています。こちらもそれにあわせて時折差分データを更新しておりますが、こちらのデータと整合性がとれるまで、現状、送り仮名や句読点の有無などの些末な違いまで表示されてしまっております。これらはおいおい修正していく予定ですので、よろしくご容赦ください。(現時点で差分の量も減り、入力側の間違いと思われる候補などは大幅に減少しているようです。本ページがお役に立ってのことであれば幸いです。)
校訂本文の誤りが疑われる個所がある段落は、見つけやすいように、下例のように段落全体が色分けされています。本文から削除すべきと思われる個所はこのように、本文に挿入すべきと思われる個所はこのようにマークアップされています。
この君の御童姿、いと変へまうく思せど、十二にて御元服したまふ。居起ち思しいとなみて、限りある事に事を添
えへさせたまふ。
ここでは、オリジナルの本文が「事を添えさせ」となっていました。ここは「事を添へさせ」となっているべきではないかと考えられます(仮名遣いの誤り)。上記のマークアップは、「え」を削除し「へ」を挿入するという編集操作を示しています。
当然ながら、削除のみの個所や、挿入のみが期待される個所も存在します。
繰り返しますが、これらは私が個人的に誤りではないかと疑った個所であって、確定的なものではありませんのでご注意ください。これらが誤りでない可能性も十分にありえますし、ほかに誤りがないという保証もありません。
参考までに、これらの修正をすべて反映させた本文をまとめたものも公開します。
『源氏物語』全文の校訂本文という膨大かつ文化的・学術的に重要な作業を無償で作成・公開されている渋谷氏に感謝いたします。